でももへちまもないから。から。
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いつからだったか、ずっと夢を見続けてきた。
別に、理由なんてない…いや、言い訳かもしれない。
ただ、自分には何もないって思うと辛くて。
このまま大人になっていく自分が悲しくて、だから夢を見続けた、そうすれば、今の自分をそのままにできる気がしたから。
8月29日---------
世間の学生達が、残り3日となった夏休みを愛惜しんで遊んでいる、もしくは夏休みの膨大な宿題を、まるで後ろから裸のおっさんに追われているかのように慌てて片付けている頃だろう。
そんな今日、時刻は朝の7時半。
少しだけ、自分の知らない世界に行きたくなったから、お盆にもらったお金を財布につめて家を出た。
特にこれといった目的はないんだけど、何となくってやつかな。
そんな今日、電車で2時間、バスで20分の小さな町の丘で、俺はそいつに出会った。
見晴らしの良い高台にあるこの公園、眼下には住宅街の広がっている。
小学生達の声が、少し離れた遊具のほうから聞こえてきた。
そんな公園の一角にひっそりと置かれているベンチに腰をかけると、横にいた人物が声をかけてきた。
「こんな所まで来るなんて、随分物好きだなぁ」
そんな馴れ馴れしい言葉で話しかけてきたのは俺より2~3上っぽい青年。
「あんたこそ、その物好きなんだろう」
何となく馬鹿にされた感じがしたので、いくらか悪態をついていいかえしてみた。
「ははっ、違いねぇ」
何を気にするでもなく、そいつは空を仰いで笑っていた。
つられて俺も空を見あげた。
――――――ただ遠く、どこまでも青い―――――――
こんな高い場所からでも、やはり空は遠いんだ、そんな分かりきった、自分らしくない事を考えて、どこか寂しい気持ちになった。
どれくらいたったのだろう、ふと、独り言のように、ずっと俺の横で同じように空を見ていたそいつが話しかけてきた。
「何でココに来た」
突然の質問、ただなぜか、そいつから聞かれるのを知っていた気分。
「何でか…理由なんてないよ、何となくさ」
少しの空白。
「偶然なのやら、必然なのやら…」
そいつは、どこまでも遠い空の、さらに先を見ているかのようだった…
「そういうあんたはどうしてだよ」
これまた理由もなく聞いている自分がいた。
しかし答えは返ってこなかった。
またしばらくの空白。
こいつも理由なんてないんだろうなっと、そんなことを考えていると、突然こたえがかえってきた。
「……約束……なんだよ、俺をココに呼んだものは。」
何のことかは分からないが、きっと大事な約束な気がした。
「なぁ青年、おまえはまだココに来るべきじゃない。
どっかの誰かが言っていたんだがな、青春ってのは、逃げていく何かを追いかけるものなんだ。
夢を見続けながらでいい、ただ自分を見捨てるな、可能性はいくらだってある。
分からなくなったって、その夢がお前を導いてくれるさ」
あまりにも突拍子のない台詞。
でも、俺の為に放たれた台詞。
少し驚いたが、それすらも知っていたかのような気分。
ただ、青い空を見続けていた。
―――――――空白―――――――――
昼を告げるサイレン。
それを聞いて、ふと我に返る。
眠っていたのだろうかと思うほど、空白が俺の中で内包していた。
横のベンチに目をやると誰もいない。
最初から誰もいないような空白。
そんな夏の一日が、確かにそこにあった。
別に、理由なんてない…いや、言い訳かもしれない。
ただ、自分には何もないって思うと辛くて。
このまま大人になっていく自分が悲しくて、だから夢を見続けた、そうすれば、今の自分をそのままにできる気がしたから。
8月29日---------
世間の学生達が、残り3日となった夏休みを愛惜しんで遊んでいる、もしくは夏休みの膨大な宿題を、まるで後ろから裸のおっさんに追われているかのように慌てて片付けている頃だろう。
そんな今日、時刻は朝の7時半。
少しだけ、自分の知らない世界に行きたくなったから、お盆にもらったお金を財布につめて家を出た。
特にこれといった目的はないんだけど、何となくってやつかな。
そんな今日、電車で2時間、バスで20分の小さな町の丘で、俺はそいつに出会った。
見晴らしの良い高台にあるこの公園、眼下には住宅街の広がっている。
小学生達の声が、少し離れた遊具のほうから聞こえてきた。
そんな公園の一角にひっそりと置かれているベンチに腰をかけると、横にいた人物が声をかけてきた。
「こんな所まで来るなんて、随分物好きだなぁ」
そんな馴れ馴れしい言葉で話しかけてきたのは俺より2~3上っぽい青年。
「あんたこそ、その物好きなんだろう」
何となく馬鹿にされた感じがしたので、いくらか悪態をついていいかえしてみた。
「ははっ、違いねぇ」
何を気にするでもなく、そいつは空を仰いで笑っていた。
つられて俺も空を見あげた。
――――――ただ遠く、どこまでも青い―――――――
こんな高い場所からでも、やはり空は遠いんだ、そんな分かりきった、自分らしくない事を考えて、どこか寂しい気持ちになった。
どれくらいたったのだろう、ふと、独り言のように、ずっと俺の横で同じように空を見ていたそいつが話しかけてきた。
「何でココに来た」
突然の質問、ただなぜか、そいつから聞かれるのを知っていた気分。
「何でか…理由なんてないよ、何となくさ」
少しの空白。
「偶然なのやら、必然なのやら…」
そいつは、どこまでも遠い空の、さらに先を見ているかのようだった…
「そういうあんたはどうしてだよ」
これまた理由もなく聞いている自分がいた。
しかし答えは返ってこなかった。
またしばらくの空白。
こいつも理由なんてないんだろうなっと、そんなことを考えていると、突然こたえがかえってきた。
「……約束……なんだよ、俺をココに呼んだものは。」
何のことかは分からないが、きっと大事な約束な気がした。
「なぁ青年、おまえはまだココに来るべきじゃない。
どっかの誰かが言っていたんだがな、青春ってのは、逃げていく何かを追いかけるものなんだ。
夢を見続けながらでいい、ただ自分を見捨てるな、可能性はいくらだってある。
分からなくなったって、その夢がお前を導いてくれるさ」
あまりにも突拍子のない台詞。
でも、俺の為に放たれた台詞。
少し驚いたが、それすらも知っていたかのような気分。
ただ、青い空を見続けていた。
―――――――空白―――――――――
昼を告げるサイレン。
それを聞いて、ふと我に返る。
眠っていたのだろうかと思うほど、空白が俺の中で内包していた。
横のベンチに目をやると誰もいない。
最初から誰もいないような空白。
そんな夏の一日が、確かにそこにあった。
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