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ちょっと昔の話。

夜になると衝動的に空を見たくて、空に近づきたくて
ひとり夜の町へと出て行く

吐く息が白いとか、歩いてる道が前より綺麗になっているとか、そういう小さな事がなぜか楽しくて心持ちはいつも快適なものだった。
世界は静まり返っていて、時折聞こえるどこかを走る車の響音が自分が世界にいることを示している気がしたくらい、夜は深くて底なし、もうエンドレスに夜


無限と言えば宇宙 その向こうには…宇宙?
もしかしたら宇宙も何か超広域空間の一部分なんじゃないかと考える
思考中………
……………
…………
………
……

思考停止
 
結論/なし あっても言葉にならない


閑話休題


徒歩約20分
立ち入り禁止の柵、乗り越えること決定
この間わずか0,2秒

建設中のマンション
剥きだしの骨組み
周りを覆う灰色のシート
登っていく
カン カン カン カン カン
闇に響く階段の音
カン カン カン カン カン …エンドレス。

誰もいない 闇い 
あたりまえなことを思う
コンクリートの壁に四方を抱かれている、いつかの誰かの部屋(予定?)
その灰色空間をわずかな光が照らしている
月明かりがあることを改めて実感



小説みたいな数万分の一、そぅ円周率の値の終わりくらい分の一の確率で発生しそうな運命的な出会いとかはやはり無い
運命的ってなんだよって考えた

「月夜に照らされる家出少女」
「もう一人の自分」
「悪の組織」
「違う星のお姫様」
「妖精」
「幽霊」

思い浮かんだ順番に並べたら改めて…って思う、…の部分は何だろうな

さて、分かっていても何か物足りないが安心しているのも事実



最後の階段を昇る
カン カン カン カン カン エンドレス って思ったそばから音が終わる
not エンドレス?

灰色のシートに包まれていた建設途中のマンションから夜空へと、視界が広がる

星は…目で確認できるだけで、否、数えることをやめるまでに数えた数は200…くらい

月は無し
このとき「PCで、「つきはなし」って言葉を変換したら「突き放し」になるなんてことは知る由もなかった

何をするでもなく、わずか20メートルくらいの高さ
それでも空に近づけた気がして、何となく嬉しかったり

そこから足を虚空へと突き出してその場に座る
空を見る
さっきと変らない。
ずっと変わらない?

明日世界が滅んだら…いや、物理的にそれ無理か? なんて、微妙に現実見てる自分がいたことが何となく驚き

そこで、どうすれば明日までに世界を滅ぼせるを考える
とりあえず「人類滅亡」「文明消失」が完成形?
「多細胞生物の全消失」は無理だと思う

………………

そんな 明日までに宿題してこい ってレベルの話をしてるんじゃないことに気づく
思考停止


閑話休題


明日世界が滅ぶとしたら何をするか
よく考えたらおもしろい話
少しだけ真剣に考えてみる

まぁ答えは決まってるか っと改めて思う

「いつもより少し「今日」という日がある事を感謝して、いつもより少し楽しくなるように過ごす」

なんて優しい理想論

「あぁ、出来たら死ぬ瞬間は苦しみがなく一瞬で逝きたいな」などと間違った方向への思考の方が優先されていた


そんなこんなで寒空の下 約1時間
その場を立ち上がり、あと1か月もすれば、ほぼ誰も来る事ができなくなる場所を改めて視る

今日、自分がここに在ったって事実だけは残ると考えたら
「じゃぁもう会うこと無いやろけど、また」

久しぶりに声出した


風が吹いた、どうやら「それ」が退席した模様

それに続いて、自分も階段を下りる


そろそろ夢から覚める時間

もうすぐ太陽が始まる時間

今日がまた、始まる時間


ん、眠い。

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